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TOEIC/TOEFLの使役動詞は大括りで見ればお願い動詞
文法は兎にも角にも言葉の定義が難解でダメだ。助詞とか、助動詞とか、冠詞とか、使役動詞とか、意味不明なネーミングである。せめてゆるいお願いをする動詞、とか、面倒臭い奴にやらせる動詞とか、丸投げ動詞とか、自然とやり始めるのを促す動詞とかいう風にしていただきたい。コロンビア大学に留学してからは英語のモードを変えた。何か?それは文法も大切だが、シュチュエーション英語というモードだ。今は意味不明かもしれないが、そのうちWOLFが言っていることがわかるようになる。使役動詞というからややこしくなる。そのくせシチュエーションで教えてくれないもんだから、勘違い日本人が多く散見される。私ももちろん初期はそうだったはずだが、白人の嫁さんと結婚したことで、懇切丁寧に、それはダメよ。あれはいいのよ。などと、日本人がおかしがちな英語を根気よく直してくれたものだ。では今日はお願い動詞にまつわるエピソードを書こう。文法書ではないので、使役動詞だけを話す訳ではない。そんなことしてるからTOEFLやTOEICの点数も最後の数%ニュアンス部分で伸びない。文法を学びたいという方は文法書を買って読んでくれればいい。でも今回は使役にまつわるシチュエーション英語(文法ではない)を説明する。

お願いに対するコミュニケーションで間違える日本人あるある第一位
どれがビジネスとして、また子供に教える英語として正しいだろう?
- You should get XYZ prior to your departure.
- You may want to get XYZ prior to your departure.
- Can you please get XYZ prior to your departure?
- Can you get XYZ prior to your departure?
いずれも正解である。なんだ、正解じゃないか。TOEICとTOEFLだって得点できるぞ。というリアクションの方。残念な方です。留学してから苦労します。もしあなたが、「WOLFさんよ。状況によって言い回しは変わるから、前提教えてくれないとわからんて。」というあなた。正解。この前者が、日本人が画一的に英語を学んで犯す過ちあるあるの9割9分である。ほとんどの海外駐在員が英語をきちんと運用できていない。これではアメリカ人から違和感を持たれても仕方ないと言わざる得ない。日本人は日本語で敬語を使えるから常に丁寧だと勘違いしている人も多い。もちろん、Would you mindの方がより丁寧でいいのでは?という方もいるが、はい、いいですそれで。今回はそこは論点にしないので、以下を読んでいただきたく。
WOLFから見ると、まあまあすごい無礼な英語で接している日本人が海外にもいて、かなり浮いている。アメリカ人だってかなり丁寧な人はいるし、そうでないオラオラ系もいる。わかりやすいところで行くと、Emailなどの文書に残る形で、I DID NOT DO. YOU SHOULD HAVE DONE!などCapital化してメールしてくるアメリカ人は、残念ながら教養が低く、品位にかける原始人が多い。いわゆるオラオラ系だと考えていただければ良い。それはWOLFの経験上アメリカの一流のプロフェッショナルファームやGAFAに所属しようが、残念ながら一定数かなりいる。(ハーバードを出ていようが、大学を出てなかろうが、学歴なんて関係ない。ダメな人はダメ。人もついてこないのだ。)嫁がWOLFの白人同僚役員からのメールをたまたまみて、彼が私のチームにCapital化して出していたのをみて、相当ショックを受けていた。彼女曰く、そういう人は早晩うまくいかなくなるしドン引きするという。日本人もかなり多くのケース、このCapital化をみる。例えば人事部が「PLEASE ACCEPT THIS POLICY LINK BY EOD FRIDAY」などと、人事ポリシーなどを社員に送る時は良いが、仕事の間で感情的にCapital化で強調=100%NGである。さて、話がそれたが、言いたいのは何事もシチュエーション次第ということだ。気楽な仲間でLOLと出すのは普通だし、要はシチュエーションなのだ。例えば上記1のケースで、依頼主が、「私のためにXYZをとって欲しい」というXYZの目的が依頼主のベネフィットにある場合、Shouldは控えた方が良い。その場合3である。あるいは、そのXYZの目的が、その依頼受け先のためになる助言である場合、You may want toが良いだろう。例えば、こんな感じ。「短期の旅行用海外保険を(あなたのために)出発前にとって置いてね」(そのほうが到着してあなたが現地で病気になっても、気楽でしょ)みたいな例。また3と4の違いは明確で、大人が大人にものを依頼したり、子供に依頼する時であっても(例:そこにある醤油をとってなど)、必ずPleaseをつけるのは、一般教養として常識だ。にも関わらず、一流のFirmにいっても、できない日本人は多い。(アメリカ人でも)もちろんそれもシチュエーション次第で、親友とビールを飲んでいて、何か気軽に頼む時はいいだろうが、ランチオンやビジネス会食、家族との夕食の場でもひとまずPleaseをつけた方がいい。
お願い系あるあるその2:全部ASKで済ませる日本人
あとありがちなのが、お願いするときのニュアンスの間違い。わからないのであれば、通じないよりマシだからASKを使うのでもいいが、連発しすぎるのもいかがなものである。少し慣れてきたらニュアンスはシチュエーションに応じて変える必要がある。それができないと、いつまでたってもアメリカ社会に馴染めない。外国人と一発でバレる。ウチの娘WOLFである白人に例えると、日本語の助詞を忘れやすい。こんな感じ「バァチャン、キットコレオイシネ」(あーこの子外人だな)とばれるのとかなり似てる。(日本人のあなたならこの意味がわかるはずだ。海外からみるとあなたはそう思われているかもしれない。)要は伝わってるが、微妙に言い回しが違うので英語が母国語でないなとバレるケース。例えば以下のケース。会議の終わりに、こういうシチュエーションになったとしよう。次回はその場にいた(例えば3名)メンバーと、今日は入っていないボスを入れて報告の場を持ちたいとなった場合、残りのメンバーが「ボスへの報告なので、責任重大だ」と社畜化して慌てている場面がよくある。あなたが自分の秘書に打ち合わせの手配を頼むと決めた時、慌てる同僚を目の前に、あなたならどう英語化するか?
- I will ask Stacy (my assistant) to schedule a call that works for him.
- I will get Stacy to schedule….
- I will let Stacy schedule…..
- I will make Stacy schedule….
- I will have Stacy schedule…..
さあどうだろう?難しいね。なぜならどれも正解だから。でもアメリカ人のニュアンスからみると、明らかにおかしなシチュエーション表現がある。それが、2、3、4。2はニュアンスだが、許可を取ったり、説得する行為が含まれる。秘書はボスの依頼された仕事に対し、いちいちボスが秘書に許可を取る必要はない仕事関係なので、ニュアンスがおかしい。3もStacyがスケジュールしたいのに、無理に引き止めていて、仕方ない、StacyにやらせてあげようというニュアンスがLetにはあるので、おかしい。4も強制的な意味合いがあり、嫌がるStacyにスケジュールさせるニュアンスになるのでNG。1はまあいいだろうが、普通に会議で言われるのは5も多い。ボスとの調整という割と大仕事に対する調整には責任が発生する。Haveのニュアンスはこの責任を持たせることである。1のAskでもいいが、今回は割とえらいボスの調整のため、シチュエーションとして社畜化した同僚が「てぇへんだ!ボスがくるぞ!」と騒いでおる。そのため、こうした米俵一揆を鎮圧する意味で、「静まれ静まれ社畜ども、一発彼女に託しておく、彼女ならうまくやれるぞよ。大丈夫だから安心せい」というニュアンスである。(社畜どもは余計だが、まあニュアンスなのであえて残した。)
まとめ
どうだろう。。。難しい?コレは訓練である。結局のところ、正しい文法を覚える日本式教育では、英語は文法的に正しくても、実社会に出るとニュアンスがわからず、アメリカ社会に溶け込めずに失意の元に帰国する日本人が大変多い。それはこのニュアンスを感じ取れていないため、「浮いている」のである。スコアは上がる。上がるが、海外でボスや、同僚、部下を率いて仕事(海外赴任ではなく、WOLFのように日本族という群れを離れ、日本人のほぼいない企業に入ることを想像していただきたい)を運用するレベルで英語を扱うには、それなりに人心をつけるだけのリーダーシップを発揮しないと昇進できない。これは育ってきた背景も文化も違うのだから、せめて言葉のニュアンスは合わせる努力をしないと、アメリカで成功するのは本当に難易度が高い。あなたが大谷翔平のようにスーパースターなら別だが、大抵の人間はWOLF自身がそうであるように凡人だ。凡人である以上、人並み(ここではアメリカ人以上に)以上に努力しなければ、アメリカ人に総合力で勝てるはずがないのである。また上記5が正解としているが、さらにいうと、日本人はここで「そっか、主従関係があったり、それでいて責任持たせるというニュアンスか。よし。」と勘違いして、いきなりオラオラ的に「Hey, can you schedule a meeting for us? thanks!」などとしたら大バカ野郎である。下手するとハラスメントになる。私なら多分、Stacy, I know you are busy today, but it would be truly appreciated if you can help us find a time that works for all three of us? Can you please?などと丁寧に頼むと思う。秘書はある意味あなたの生命線である。的に回すと怖い存在でもある。秘書だから大切にしようという話ではない。会社も企業も政府もスポーツも、結局はチームで動くもの。誰に対しても敬意を払うべきだ。私もいつも見知らぬHouse Keepingのオフィスの清掃担当員に話しかけて、お礼をいう。アメリカなら常識的な挨拶と礼儀だ。日本でも私はするだろう。松井秀喜や、イチローや大谷翔平みたいなスーパースターになればなるほど、優秀な人は、チームを優先していることをご存知だと思う。彼らこそ、言葉とコミュニケーション、周囲の気配りのできる達人であると言われている。そう思えば、シュチュエーション英語の大切さが、文法と同じレベルで重要だとわかるだろう。どう文法的に正しく伝えるか?は重要だが、どのような気持ちで伝えるか?の方が、相手に伝わるはずである。